重要なのは「ダブルチェックの徹底」
医療の現場は人の命を預かる場であるため、些細なミスが命にかかわってくる可能性と常に隣り合わせです。医療事故を防ぐためにもさまざまな工夫がされていますが、重要なのはダブルチェックを徹底することです。
NICUでのダブルチェックの重要性
どの医療現場でも、ミスを起こさないように安全対策がとられています。些細なミスも重篤な事態を招きかねないNICUでは、他の科と比べてさらに注意をすることが必要です。そのために、ダブルチェックという手段を使いましょう。赤ちゃんに常に関わっていると、だんだんとその子のことがわかってきて、「この子はこうだから」と正確な判断材料もないままに考えを進めてしまい、ミスを引き起こすことがあります。そういったことのないよう、他者の視点が必要なのです。自ら何度も確認を行うということも大事ですが、どんなに正確に行ったつもりでも人間はミスを起こしてしまう生き物ですから、複数の目で見る、ということが有効です。
思い込みが危険を呼ぶ
複数の目で確認しミスを少なくすることを目的としているダブルチェックですが、意図を理解し正確に行わなければその効力を発揮することができません。
よくある問題点のひとつとして挙げられるのが、他の誰かがチェックしてくれるから、という思い込みを持つことです。ダブルチェックはとはあくまでも、自身が確認を行ったにも関わらず見つけることができなかったミスやおかしな点について、他者の目が加わることによって改めて見つけることができる、というものです。誰かが見てくれるからいいだろう、という依存心を持っていては、作業の意味が全くなくなってしまうのです。
また、確認する看護師の知識や能力が足りているかということも重要です。チェック項目の意図をしっかりと理解し、患者の病態や用いる薬剤についてもよく知っていなければ、細かいミスを発見することは難しいでしょう。
ダブルチェックの方法
ダブルチェックの方法はさまざまあります。主に2人同時にチェックを行っていくドリル式と、2人が時間差でチェックしていくリチェック式が代表的な方法です。どちらの方法も2人で声を出し合いながら、指先確認を行いながらチェックしていきます。声に出すことで第3者にチェックを示し、ダブルチェックの責任を明らかにします。
ヒューマンエラーから起こるインシデントを防ぐためにダブルチェックを行いますが、その仕事の忙しさや難しさから、人の手だけで100％ミスを防ぐというのはとても難しいことです。そんな中、さらに医療の安全性を高めるために、電子的なシステムの力を借りるという方法も注目されています。
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