仕事内容と求められるスキル
NICUの看護師の仕事は一般病棟の看護師と大きく異なります。新生児の処置を行うことはもちろんですが、その家族のケアも必要となり、担う役割は多岐に渡ります。そのためにも一般病棟の看護とはまた別なスキルが求められます。
NICU看護師の仕事内容
NICUでの看護師の主な仕事は赤ちゃんのケアとその家族の精神的な支援です。
赤ちゃんに必要なケアは、保育器を使用した体温管理や呼吸器の管理、薬剤の管理と投与、モニターを常にチェックして状態変化に注意することです。赤ちゃんの状態にわずかでも変化がある際は迅速な対応が求められ、処置は医師が行いますが看護師はその介助に付きます。また、赤ちゃんの授乳やオムツ替え、沐浴や清拭などのお世話をすることも看護師の役割です。
NICUで働く看護師にとって赤ちゃんのケア以外にも、赤ちゃんがNICUに入ってしまったことでショックを受け悲しみ、不安を抱えている赤ちゃんの両親に対する精神的なケアも大切な役割です。母子分離の状況でも愛着形成が行えるよう、赤ちゃんの両親や家族とコミュニケーションをとり育児参加ができるように様々なサポートを行うことも大切な仕事です。
求められるスキル
NICUではこれまで成人基準に学んできた看護技術とは大きく異なり、未熟児、新生児レベルで看護を行う必要があります。薬剤の投与もバイタルの基準値も成人と新生児では異なります。そのため新生児看護の専門的な知識や技術が求められます。
NICUにいる赤ちゃんのケアとして近年、カンガルーケアやタッチケア等のベビーケアに関する知識やスキルが注目されています。カンガルーケアやタッチケアは親子の愛着形成にプラスになると考えられています。一例として、葛飾赤十字産院では実際にNICUでのカンガルーケアが取り入れられています。ただし、出産直後の正常出産で生まれた赤ちゃんに行う早期母子接触とは目的とやり方に違いがあります。
蘇生に関するスキルも赤ちゃんと成人では異なります。NICUは患児の急変が起こりやすい現場のため、急変時に冷静な判断や適切な処置を行うことができるよう新生児蘇生法に関するスキルが必要です。仮死状態の未熟児や新生児に対する蘇生に関するスキルは、蘇生のステップABCD（A（AIRWAY）：気道開通と保湿、B（BREATHING）:人工呼吸、C（CULATION）：心臓マッサージ、D（DRUG）：薬剤投与）を基本とし、吸引・保湿・人工呼吸・心臓マッサージ・薬剤投与の処置をします。
NICUでは容態が急変しやむなく亡くなってしまう赤ちゃんもいます。赤ちゃんを亡くした両親や家族の悲しみや喪失感に対し精神的サポートができるよう、グリーフケアの重要性が高まっています。グリーフケアとは身近な人と死別して悲嘆にくれる人に寄り添い、その悲しみを乗り越えて立ち直れるように支援する取り組みです。
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高い専門知識と技術が求められるNICUで働くためには、どのような知識や資格を持っておくと良いのでしょうか。現場での仕事に役立つ書籍も併せてご紹介します。
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NICUってどんなところ？
NICU（新生児特定集中治療室）では、様々なリスクを抱えた新生児を24時間体制でサポートします。赤ちゃんのために、具体的にはどのようなケアを行っているのでしょうか。
